やっと赤ちゃんが産まれてくれた。
私と、刀馬くんの赤ちゃんは
女の子だった。
刀馬くんに似ていて
とても綺麗な顔をしていた。

刀馬くんの父親は
ちっとも似ていないのに
刀馬くんの父親は
わんわんと泣きながら
私に

「孫をありがとう」

と言ってくれた。
血が繋がってないのに。

「羽奏ちゃん。この子をありがとう」

刀馬くんの母親も
私にとても感謝してくれた。
私は、うなずくしかできなかった。

「本当に可愛いわね。
間違いなく、刀馬の子供ね。
出生前検査をしてくれなかったから
本当は少し疑っていたのだけれど」

私は、それは独り言と解釈して
スルーすることにした。
何を言えばいいのか
頭の中がまとまっていないから。

ちらりと、赤ちゃんを見ている
刀馬くんを見ると
愛おしいものを見る目で
赤ちゃんを見てくれていた。

私はそれを確認してすぐ
眠気の森に吸い込まれた。