終わった。
もうダメだ。
知られてしまった。

「お前らって……
どういうことですか?」

刀馬くん、もうやめて。
それ以上、聞かないで。

そう叫びたくても
喉がカラカラに乾いて
声がうまく出せない。

「ん?羽奏ちゃんもお前も
俺の精子から作られたってこと」
「なっ……!?」
「全然接点ないと思ってたけど
まさか血の繋がった兄と妹が
できちまうなんて……
世の中おっかないなぁ。
それも、子供まで作って」
「やめてください……!」

私は、これ以上
余計なことを言われたくなくて
男の口を塞ごうと
手を伸ばした。


だけど。
男の口を塞いだのは
私の手ではなくて……。


「きゃああああああ!!!」
「うわあああ!」
「人が刺された!!!」


目の前で
男の体から血が噴き出して
私と刀馬くんの体に降りかかった。

男は、目を見開いたまま
私と刀馬くんの間に
倒れた。