琴莉がどこのクラスなのかは分からないが、廊下から覗き込めばすぐに見つかるだろう……と、簡単に考えていた。
あの、たくさんの人で溢れかえっている入学式の日でさえ、俺は琴莉を見つけることができたのだから。
ところが、いくら探しても琴莉は見つからない。
校庭にも行った。
図書室にも、保健室にも顔を出した。
でも、どこにもいない。
琴莉が今日学校に来ていることは知っていた。
家の前を、朝通り過ぎるのを見かけたから。
今日の昼に声かければいいや、と朝声をかけようと思ってやめたことを今更ながら悔いてしまう。
どうして、声をかける準備が整ったと思えた時に限って、琴莉はいないのだろう。
そんなことを考えながら、廊下を歩いている時だった。
昼の放送が流れ出した。
特に興味もない、学校行事の案内やちょっとした噂話のコーナーを聞き流しながら、俺はたくさんの生徒でごった返しているエントランスに向かった。
どこにいたとしても、1年の教室に帰るにはこの場所を通るしかない。
ここにさえいれば、すぐに捕まえられるだろう……と、タカを括っていたのもある。
もちろん、琴莉がすでに早退をしていなければ、だが。
「あ、ナオくんみっけ〜!!」
2年の女子たちが、俺の周りを取り囲んでいく。
その様子を見た、琴莉以外の1年生たちも、なんだなんだと俺を覗き込んでいく。
俺は、見せ物じゃないのに。
こんな女子たちと話をしているような心の余裕なんてないというのに。
そんなことを思っている時だった。
急にスピーカーから、あの曲が流れてきた。
俺と琴莉がまだ一緒にいた頃、琴莉が大声で歌っていた、琴莉が大好きな曲。
その曲は、当時俺たちが見ていたアニメの主題歌。
普通、そんな曲を高校の放送部がかけるのだろうか?
俺は、予感がした。
琴莉が関わってるんじゃないか、と。
そう思ったと同時に、俺の足は放送室へと向かい出した。
あの、たくさんの人で溢れかえっている入学式の日でさえ、俺は琴莉を見つけることができたのだから。
ところが、いくら探しても琴莉は見つからない。
校庭にも行った。
図書室にも、保健室にも顔を出した。
でも、どこにもいない。
琴莉が今日学校に来ていることは知っていた。
家の前を、朝通り過ぎるのを見かけたから。
今日の昼に声かければいいや、と朝声をかけようと思ってやめたことを今更ながら悔いてしまう。
どうして、声をかける準備が整ったと思えた時に限って、琴莉はいないのだろう。
そんなことを考えながら、廊下を歩いている時だった。
昼の放送が流れ出した。
特に興味もない、学校行事の案内やちょっとした噂話のコーナーを聞き流しながら、俺はたくさんの生徒でごった返しているエントランスに向かった。
どこにいたとしても、1年の教室に帰るにはこの場所を通るしかない。
ここにさえいれば、すぐに捕まえられるだろう……と、タカを括っていたのもある。
もちろん、琴莉がすでに早退をしていなければ、だが。
「あ、ナオくんみっけ〜!!」
2年の女子たちが、俺の周りを取り囲んでいく。
その様子を見た、琴莉以外の1年生たちも、なんだなんだと俺を覗き込んでいく。
俺は、見せ物じゃないのに。
こんな女子たちと話をしているような心の余裕なんてないというのに。
そんなことを思っている時だった。
急にスピーカーから、あの曲が流れてきた。
俺と琴莉がまだ一緒にいた頃、琴莉が大声で歌っていた、琴莉が大好きな曲。
その曲は、当時俺たちが見ていたアニメの主題歌。
普通、そんな曲を高校の放送部がかけるのだろうか?
俺は、予感がした。
琴莉が関わってるんじゃないか、と。
そう思ったと同時に、俺の足は放送室へと向かい出した。