俺は、話した。正直に。

自分のライン画面も、ちゃんと見せながら


「誰かにブロックを勝手にされて、投稿を削除されたかもしれない」


と。

琴莉の父親は、しばらく俺のスマホ画面を眺めてから、俺の頭髪に目を向けてから、こう言った。



「すまないね。私には、君が真実を言ってくれているとは思えないんだ」

「どういうことですか?」

「私の耳にもね、それなりに君の評判は入ってきているんだ」

「俺の評判……ですか……」

「君は、学校もそこそこに、たくさんの女の子達と遊んでいるみたいだね」

「それ……は……」


琴莉の父親は、俺にスマホを返しながら立ち上がった。


「琴莉は、もうだめかもしれない」

「え……」

「今日もし生き残れたとしても、これから辛い道が待っているかもしれない」

「そん……な…………」

「大人げないとは分かっている。だがね……君には、知っておいて欲しかったんだ。君が私の大事な娘に取り返しがつかない傷を残したことを、ね」


琴莉の父親は、まるで呪いをかけるような言葉を俺に吐き捨ててから、走り去った。

俺は、その背中をただ見送るしかできなかった。