「当たり前だろ」

「待ってナオ」

「何だよ……」

「さっき、母さん言ったわよね。琴莉ちゃんは、あなたに会いに行って、事故に遭ったわよって」

「ちょ、ちょっと待ってくれ母さん……」


そもそも、それがよく分からない。

確かに俺は、今日琴莉に会いたいと念じていた。

そう思いながら、いつもは勇気がなくて覗けなかった放送室を、覗いたんだ。

でも、いるはずの琴莉は、そこにいなかった。


「ねえ、ナオ……?あなた……琴莉ちゃんと今日、本当に1度も会わなかったの?」

「教えてくれ母さん!一体、どう言うことなんだよ!?」