最初は、てっきりただ曲名だけを送ってくる人が多いのかな、と思った。
でも……そうじゃなかった。
音楽のリクエストを受け付けてから、私はたくさんの曲と、その曲に託されたたくさんの想いに触れることができた。
例えば。
小さい頃に見ていたアニメの主題歌を教えてくれる人は、こんなコメントを書いてくれた。
聞くだけで当時のワクワク感をみんなと共有したいから、と。
親が大ファンだというアーティストの曲を教えてくれる人は、こんなコメントを書いてくれた。
親と初めて行ったコンサートの感動がすごかったから、とにかく誰でもいいから感動してほしい、と。
もちろん、歌詞が好き、曲がかっこいと言う理由の人もいた。
音楽を好きな理由は、人の数だけ存在する。
そこから見えてきたのは、その人がどういうものに興味があるのかだったり、その人の裏にある物語の一部であること。
そんな発見をするのが、私は少しずつ楽しくなった。
新しい人のことを知るのが、少しずつ面白いと思うようになった。
だけどそれ以上に、放送部が私にくれたのは、そんな新しい気づきだけではなかった。
夏、立川先輩が放送コンクールに出ることになり、私は何故か立川先輩にこんなことを頼まれた。
「君の耳を貸してほしい」
と。
でも……そうじゃなかった。
音楽のリクエストを受け付けてから、私はたくさんの曲と、その曲に託されたたくさんの想いに触れることができた。
例えば。
小さい頃に見ていたアニメの主題歌を教えてくれる人は、こんなコメントを書いてくれた。
聞くだけで当時のワクワク感をみんなと共有したいから、と。
親が大ファンだというアーティストの曲を教えてくれる人は、こんなコメントを書いてくれた。
親と初めて行ったコンサートの感動がすごかったから、とにかく誰でもいいから感動してほしい、と。
もちろん、歌詞が好き、曲がかっこいと言う理由の人もいた。
音楽を好きな理由は、人の数だけ存在する。
そこから見えてきたのは、その人がどういうものに興味があるのかだったり、その人の裏にある物語の一部であること。
そんな発見をするのが、私は少しずつ楽しくなった。
新しい人のことを知るのが、少しずつ面白いと思うようになった。
だけどそれ以上に、放送部が私にくれたのは、そんな新しい気づきだけではなかった。
夏、立川先輩が放送コンクールに出ることになり、私は何故か立川先輩にこんなことを頼まれた。
「君の耳を貸してほしい」
と。