俺は放課後、そいつの後をつけてみることに決めた。

何となく、そうしないといけない気がしたから。


そのおかげで、すぐに理由は分かった。

そいつがどうして、俺に近寄るなと言ったのか。



そいつは、最近意味もなく、よく俺に話しかけてくる別の女子たちに囲まれていた。

名前はいちいち覚えていないが、よく見るなーくらいにしか思っていなかった女子たちだ。

そいつは……怯えた表情で、その女子たちをそいつは見ていた。

何か会話をしているようだった。

内容は聞こえない。

でも、何となく、あいつらの行動の意味は分かった気がした。



何でだよ。


これまで、そいつさえ監視していれば琴莉は無事だった。

時々家の窓から見える琴莉は、とても楽しそうに笑っていた。

俺が、そいつから琴莉を守るために、そいつを監視し続けたから。


それなのに。

今度はそいつが、同じことになっている。

あの時、そいつが琴莉にしたことと同じことをされている。





……俺のせい……なのか?


全部……。