あいつらは、泣きながら俺に言った。
「だって、毎日びーびー泣いてるんだもん」
「うるさいんだもん」
「鳥だって、あんな泣かねえよ」
と。
「お前らがそうしてんだろ!?」
俺は、ムカついて仕方がなかった。
全員、殴り飛ばしてやりたかった。
そうすれば、琴莉は笑顔を見せてくれるかもしれないと、思った。
けれど、そういう時に限って邪魔者は入る。
「何してるの!?」
あいつらの担任が、俺とあいつらの間に入り込んできた。
「あなた、2年生よね」
琴莉へのいじめを止められもしない、使えない大人が、偉そうに説教するのが気に入らなかった。
「弱い者いじめしてて、楽しい?」
何も知らないくせに、先生という皮を被って生徒を守るフリをしているのが、気持ち悪いと思った。
「うるせえババア」
「なっ、何ですって……!?」
ただでさえ、ブサイクなおばさんの顔がしわくちゃになっていくのが、少し面白かった。
でも、俺はこのおばさんに思い知らせてやらないといけない。
「あのさ、何で琴莉、休んでるわけ」
「琴莉……?ああ、佐川さんのこと?」
「そいつらが、いじめたからだろ」
「はあ?佐川さんは体調不良だって聞いてるけど」
それこそ、はあ?と言い返してやりたい。
後ろを見てみろよ、と言い返してやりたい。
ニヤニヤと、大人に怒られているフリをしている俺を楽しそうに見ているあいつらを見てみろと。
でも、俺はふと思った。
役立たずの大人に頼って、琴莉が傷つくくらいなら。
俺がもっとしっかりすればいいと。
そうすれば、琴莉はもっと俺を頼って、俺なしではいられなくなるのではないかと。
そっちの方が、ずっと俺にとっては好都合だと、気づいた。
「すみませんでした」
俺は、心を込めない謝罪を口にしてやることにした。
能無しの大人は、自分の成果と言いたげな表情で俺を見下ろしたし、あいつらも「助かった」と言いたげな間抜けな顔をした。
それが、滑稽すぎて、笑いを堪えるのが大変だった。
「だって、毎日びーびー泣いてるんだもん」
「うるさいんだもん」
「鳥だって、あんな泣かねえよ」
と。
「お前らがそうしてんだろ!?」
俺は、ムカついて仕方がなかった。
全員、殴り飛ばしてやりたかった。
そうすれば、琴莉は笑顔を見せてくれるかもしれないと、思った。
けれど、そういう時に限って邪魔者は入る。
「何してるの!?」
あいつらの担任が、俺とあいつらの間に入り込んできた。
「あなた、2年生よね」
琴莉へのいじめを止められもしない、使えない大人が、偉そうに説教するのが気に入らなかった。
「弱い者いじめしてて、楽しい?」
何も知らないくせに、先生という皮を被って生徒を守るフリをしているのが、気持ち悪いと思った。
「うるせえババア」
「なっ、何ですって……!?」
ただでさえ、ブサイクなおばさんの顔がしわくちゃになっていくのが、少し面白かった。
でも、俺はこのおばさんに思い知らせてやらないといけない。
「あのさ、何で琴莉、休んでるわけ」
「琴莉……?ああ、佐川さんのこと?」
「そいつらが、いじめたからだろ」
「はあ?佐川さんは体調不良だって聞いてるけど」
それこそ、はあ?と言い返してやりたい。
後ろを見てみろよ、と言い返してやりたい。
ニヤニヤと、大人に怒られているフリをしている俺を楽しそうに見ているあいつらを見てみろと。
でも、俺はふと思った。
役立たずの大人に頼って、琴莉が傷つくくらいなら。
俺がもっとしっかりすればいいと。
そうすれば、琴莉はもっと俺を頼って、俺なしではいられなくなるのではないかと。
そっちの方が、ずっと俺にとっては好都合だと、気づいた。
「すみませんでした」
俺は、心を込めない謝罪を口にしてやることにした。
能無しの大人は、自分の成果と言いたげな表情で俺を見下ろしたし、あいつらも「助かった」と言いたげな間抜けな顔をした。
それが、滑稽すぎて、笑いを堪えるのが大変だった。