俺の胸の中で、琴莉はずっと泣いていた。

俺の声が宝物だと。

忘れたくないから話さないでくれと。


「なあ、琴莉どうしてそんなことを言うんだ?」


変わったって、どういうことだよ。

声変わりならずっと前に終わってる。

……そういうことじゃないのか?

琴莉は、俺の声に一体何を求めていたんだ?

考えろ。

考えるんだ。

今度こそもう、間違えたりしない。

いや。

間違えたとしても、すぐに取り戻す。

俺はひたすら、琴莉の声を聞きたかった。

そして1つの言葉が俺にヒントをくれた。




「忘れたくないのに」




ああ、そうか。

俺は、お前が忘れてしまいそうになるくらい。

お前から遠いところにいたんだな。

そう言うことなんだよな。

だったら、もう答えは1つしかないよな。

お前が、泣かなくてもいい方法は……。