もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜

「おう、元気か?ナオ」

「久しぶり、ケビン」


黒豹のような肌に、真っ白な歯が眩しい。

今俺は、ケビンと久しぶりに会話をしている。

ビデオ通話にしたのは、その方がお互いの表情じゃジェスチャーで、言葉が伝わらなくても意思疎通ができるから。

そう提案したのも、ケビンの方からだった。


「どうしたんだ?ケビン。急に連絡してくるなんて」


時々、文章での近況報告をするくらいで、ガッツリと時間を作って話すことはなかった。

お互い、時差もあるからと気を遣っていた部分もあったかもしれない。

確かめたこともなかったが。



「ちょっとさ、今度日本に行こうと思って」

「え、マジ?」

「そそ。だからさ、ナオの家泊まらせてくれよ」

「いいけど、俺の家せまいぞ」

「構わねえよ。1日100ドルのホテル代浮くだけで、全然やれること違うからな」

「確かに。それで、日にちは?」

「あー……急で悪いんだけど……明日こっち出るから」

「は!?」

「いや、ごめんごめん、急に思い立ったからさ。……ダメか?」

「いや、ダメじゃ、ない……が……」

「んじゃ、空港着いたらまた連絡する。しばらく泊まる予定だから」

「しばらくって、いつまでだよ!」


その返事が来る前に、ケビンは俺とのビデオ通話を終わらせた。



「……相変わらずなやつだな」


思い立ったらすぐ行動。

やらない後悔よりやって後悔。

それが、ケビンの生き方だった。

そして俺は、アメリカ時代に彼の生き方、考え方に随分助けられた。



(こいつなら……)


俺は、どんな理由であろうと、このタイミングで日本に来てくれるケビンのことを、心よりありがたいと思った。


そう思った気持ちを、大事にしたいと思った。