もう、離れるな 〜地味子×チャラ男の一途すぎる両片思い〜

俺には、わからないことがたくさんある。

わからないといけないことがある。

ずっと、自分なりに考えていたつもりだった。

けれど、答えが見つからない。

正解に辿り着けない。

そんな、もどかしさに俺は溺れている。


離れるべき。


大人の言葉が、とても突き刺さる。

誰もが繰り返し言う。

離れてくれ。

側にいるだけで傷つく関係もある。

それが俺と琴莉なのだと。

もう、十分すぎる程聞かされた。

俺自身も、そうかもしれないと無理矢理納得させようとしたことがあった。

あったけれど……。



離れたくない。

側にいたい。



どれだけそれを打ち消して、また考えても……最後にたどり着く気持ち。



「どうすれば、いいんですか?」



気がつけば、俺は自分の涙の味を舌で感じていた。

答えを他人に……看護師さんに求めていた。

看護師さんは、ポケットティッシュを差し出しながら俺にこう言った。




「もう少し、他の人にも興味持った方がいいかもね」

「え?」


意味がわからない。

そう言おうとする前に看護師さんが言葉を続けた。


「彼女以外の人間の名前、あなたはちゃんと呼んだことがあるのかしら?」