また、夜が来てしまう。

真っ暗になってしまう。

父も母もたまにしかこない。

お医者さんも看護師さんも良い人だけど。

でも、違う。

体の苦しみはとってくれるけど。

優しく声をかけてくれるけど。

私が今会いたい人は、いない。

聞きたい声は、聞こえない。

聞きたい。

あの声が。

琴莉と呼んでくれる、あいつの声が。


今、とても聞きたい。


私は、スマホを探した。

そして、操作した。

たった1回だけ送った「ともだち」を探した。



けれど、探していた名前が見つからない。




「会いたい…………」




けど、もうきっと2度と会えない。

そんな気がする。