学校に行くことを止めた俺は、お金を稼ぐことだけを考えた。

幸い、俺の顔は使い道がそれなりにあると判断されたのか、すぐにいい仕事は見つかった。

今は、琴莉がいない高校に行くことよりも、琴莉が目覚めた時のために自分が何ができるかだけを考えたかった。

琴莉のためだけに、俺はもう生きていきたかった。

そうしなければ、今すぐにでも俺は死んでしまいたくなりそうだったから……。

稼いだお金は、母親を通じて琴莉に渡してもらうようにした。

このお金が、少しでも琴莉を生かすことに繋がるなら、琴莉のためにちゃんとなるのであれば、今度こそ俺は頑張れる気がしたから。





それから、琴莉が目覚めるまでは半年以上の時間が必要だった。

その半年は、俺にとっては地獄でもあり、同時に至福の時でもあった。

死んでしまうかもしれないという恐怖。

声を聞けないという悲しさ。

でも一方で、琴莉は俺から逃げることもなく、顔を見ようと思えばいつでも見られる状態ではあった。




そんなことに、微かな喜びを感じる愚かな自分は、俺だけの秘密。