こんなことになるなら。

俺は待つんじゃなくて、もっと歩み寄る努力をするべきだった。

そうしたら琴莉が死にかけるなんてことに、ならなかったんじゃないか。

こんな……別れのメモを書かせなくて済んだんじゃないか?



あの血だらけのメモは教えてくれた。

琴莉の俺への気持ちを。

琴莉が俺を諦めようとしていたことも。



そんなこと、させない。

琴莉がこのまま俺から離れていくなんて、もう許さない。

俺は、なんとしても繋ぎ止める。

もう、怖いとか言っていられない。



俺はこの手に、琴莉を取り戻す。

絶対に。