「……義仲は生きてる」
だってほら。死のう死のうと思っていた小子が、生きる力を取り戻している。生きていれば再び逢えるのだから。しかも、小子を呪った匂い袋を作った葵が死んだことで呪縛は解け、未来が開けたのだ。楽観できる未来ではないけれど、愛するひとが生きているという事実だけで、小子は瞳を輝かせている。
「わたし、探しに行く!」
小子が逢いに行く。けれど、その必要はないだろう。
「あのひとのことだから、いますぐにでも逢いに来るわ」
山吹城の巫女姫が持つ鈴の音を伴って。鬼神だったときの名残である血の香りを漂わせて。
義仲の名を捨て、今度こそ小子とともに生を全うするために。
だってほら。死のう死のうと思っていた小子が、生きる力を取り戻している。生きていれば再び逢えるのだから。しかも、小子を呪った匂い袋を作った葵が死んだことで呪縛は解け、未来が開けたのだ。楽観できる未来ではないけれど、愛するひとが生きているという事実だけで、小子は瞳を輝かせている。
「わたし、探しに行く!」
小子が逢いに行く。けれど、その必要はないだろう。
「あのひとのことだから、いますぐにでも逢いに来るわ」
山吹城の巫女姫が持つ鈴の音を伴って。鬼神だったときの名残である血の香りを漂わせて。
義仲の名を捨て、今度こそ小子とともに生を全うするために。