「どうしか、したの?」
妻戸から目覚めたばかりの小子が姿を現し、巴と視線を合わせ、すこしだけ顔を綻ばせた。
たくさん泣いたのだろう、目はまだ赤く、くまも残っている。義仲の首を見たら、また泣いてしまうに違いない。
「款冬姫さま」
「あ、それ……」
巴が小子に声をかけるより早く、小子は義仲の首に気がついたらしい。泣きわめく親忠を遠ざけ、ひょい、と首を抱きあげる。
そして。
「……これ、義仲じゃない」
と、困惑した顔で、親忠と巴に向けて声をあげる。
妻戸から目覚めたばかりの小子が姿を現し、巴と視線を合わせ、すこしだけ顔を綻ばせた。
たくさん泣いたのだろう、目はまだ赤く、くまも残っている。義仲の首を見たら、また泣いてしまうに違いない。
「款冬姫さま」
「あ、それ……」
巴が小子に声をかけるより早く、小子は義仲の首に気がついたらしい。泣きわめく親忠を遠ざけ、ひょい、と首を抱きあげる。
そして。
「……これ、義仲じゃない」
と、困惑した顔で、親忠と巴に向けて声をあげる。