実際に顔を合わせることはあっても、しょっちゅう変装をしており、どれがほんものの葵なのか彼らはいまだに理解できていない。変わらないのは長い黒髪だけで、それ以外は服装が男物の狩衣だったり女房装束だったりするし、顔も目をおおきくしたり肌の色を変えたりと常に化粧をしている。さらに声色まで変えられるというのだからおそろしい。
ただ、京に入ってからはずっと女房装束で小子の傍に仕えていたので、極端な変化はしていないはずだ。
「……葵さまは義仲の頼みをきいてあげたってことだろうな。となると病を発症したのはやはりあのときか」
「心の臓に負担がかかりすぎたのでしょう。彼女も何をしでかすかわからないところがありますから……やはり義仲さまにお見舞いされるよう申し上げた方がよさそうですな」
年長の行親の言葉に、他の三人も素直に頷く。
「ならば巴の協力もいるな」
「ええ、葵さまのお見舞いに義仲さまが款冬姫さまも一緒に連れていかれるのは避けた方がよろしいでしょうし」
ただ、京に入ってからはずっと女房装束で小子の傍に仕えていたので、極端な変化はしていないはずだ。
「……葵さまは義仲の頼みをきいてあげたってことだろうな。となると病を発症したのはやはりあのときか」
「心の臓に負担がかかりすぎたのでしょう。彼女も何をしでかすかわからないところがありますから……やはり義仲さまにお見舞いされるよう申し上げた方がよさそうですな」
年長の行親の言葉に、他の三人も素直に頷く。
「ならば巴の協力もいるな」
「ええ、葵さまのお見舞いに義仲さまが款冬姫さまも一緒に連れていかれるのは避けた方がよろしいでしょうし」