義仲と葵の間に生まれた息子、義高はいま鎌倉の源頼朝のもとにいる。頼朝の娘である大姫の許嫁扱いだが、どちらかといえば人質だ。
義高が人質になった経緯を思い出し、四人は沈黙する。
「……で、でも。あれから半年以上経つし、そろそろ和解もできるんじゃ」
「そう簡単にはいかない。義仲は葵さまに息子を鎌倉へ渡すよう強要した上に、自分の正妻となる款冬姫を自分のものにするために女房として邸に送り込んでいるんだ。ふつう側室が正室の女房になるなんてありえねーだろ」
「そこは葵さまだから……」
四天王は義仲のまわりの女たちについて把握はしているが、必要以上の情報は持っていない。巴は兼平と兼光の妹だから四天王とも顔見知りだが、間諜だったり参謀だったりする葵については四人とも知らないことの方が多いのである。
義高が人質になった経緯を思い出し、四人は沈黙する。
「……で、でも。あれから半年以上経つし、そろそろ和解もできるんじゃ」
「そう簡単にはいかない。義仲は葵さまに息子を鎌倉へ渡すよう強要した上に、自分の正妻となる款冬姫を自分のものにするために女房として邸に送り込んでいるんだ。ふつう側室が正室の女房になるなんてありえねーだろ」
「そこは葵さまだから……」
四天王は義仲のまわりの女たちについて把握はしているが、必要以上の情報は持っていない。巴は兼平と兼光の妹だから四天王とも顔見知りだが、間諜だったり参謀だったりする葵については四人とも知らないことの方が多いのである。