「いや、それよりは義仲さまを遠ざける方が得策だ。どうせ戦になる。そうなれば彼だって目が覚めるさ」
「だといいんだけどなぁ……」
「なんだ、兼平。なにか気がかりなことでもあるのか?」
「たくさんありますよ行親どの。葵さまの容態も不安定なままですし……」
「そんなに悪いのか?」
親忠が兼平に尋ねると、兼平は困ったように微笑み返す。
「命に別状はないっておっしゃってましたが、あのあと高熱を出されてまた臥せってしまったのですよ。女房たちに世話を任せているが、できれば義仲を見舞いに来させたい。款冬姫さまに夢中なのは仕方ないが、放っておくのもいかがなものかと」
「だが、義高さまの件でふたりはまだ喧嘩してるんじゃなかったか?」
「だといいんだけどなぁ……」
「なんだ、兼平。なにか気がかりなことでもあるのか?」
「たくさんありますよ行親どの。葵さまの容態も不安定なままですし……」
「そんなに悪いのか?」
親忠が兼平に尋ねると、兼平は困ったように微笑み返す。
「命に別状はないっておっしゃってましたが、あのあと高熱を出されてまた臥せってしまったのですよ。女房たちに世話を任せているが、できれば義仲を見舞いに来させたい。款冬姫さまに夢中なのは仕方ないが、放っておくのもいかがなものかと」
「だが、義高さまの件でふたりはまだ喧嘩してるんじゃなかったか?」