久しぶりに来たな。
わたしは星空公園に行き、ひとりきりで空を見上げる。
そこには伊織と見たときと変わらないくらい綺麗な星空がたくさん輝いていた。
「あ、流れ星」
伊織にまた他人のことばっか願ってるって言われるかもしれないけど、わたしの願いごとは、やっぱり。
「みんなが笑っていられますように」
そのみんなの中にはもちろん伊織も入ってる。
この世界はみんなに平等というわけではない。
ときにはだれかの生命も簡単に奪ってしまう。
今日生きていることだって奇跡なんだ。
だれかが護ってくれたものなのかもしれない。
この幸せはだれかの犠牲があって成り立っている。
喜びの裏には悲しみがあって、それで均等を保っているのだろう。
いまあるあたりまえは決してあたりまえではない。
明日が必ず来るとは限らない。
だから、自分の言いたいことは自分の声でちゃんと伝える。
この"いま"を大切にする。
伊織がそう教えてくれたから。
ねぇ、伊織。
わたし、いまを精一杯生きるよ。
あなたが護ってくれたこの日常を。
だからもし生まれ変わってまた出逢うことができたら、わたしのこと見つけてね。
そして、また恋ができたら____
空を見上げてそんなことを思うと、たくさんの流れ星が降ってきた。
まるで伊織がわたしのことを応援してくれてるみたいだった。