「ここわたしの家! 神社なんだ。びっくりした?」

 じゃーん、と見せるように手をきらきらさせる。
 驚いてくれるかな。
 よく友だちを家に連れてくると「すごい!」って言ってくれるから伊織の反応も楽しみにしてた。
 けど、

「まぁ、うん」

 びっくりしてくれると思ったのに、伊織はなんともない顔で呟く。
 まるで、そんなことはじめから知っていたかのように。


「全然驚いてないでしょ?」

「バレた?」

 あはは、と伊織が笑う。
 そんな顔を見てたら自然と口が緩んじゃって、わたしも思わず笑みが零れた。

 なんでだろう。
 伊織といると自然と笑える。

 伊織とはだいぶ仲良くなれたし、伊織の前だけならほんとに思ってることを少しだけ言える。