お願い、私を見つけないで 〜誰がお前を孕ませた?/何故君は僕から逃げた?〜

Side悠木

「神がいるとしたら、私は神にどうされると思う?」
「このようなことは、罰当たりだと……祟られるかもしれませんね」
「今更だな、それは」

雪穂を無理やりこの世に繋ぎ止めた時点で、すでに神が定めたルールに反している。
罰が来るなら、きっとすでに来ていてもおかしくはない。
だが、私に罰はまだ、来ていない。


「さて。そろそろ二人きりにしてあげようか。装置の方はどうだ?」
「滞りなく」
「念の為に、メンテナンスもしておいてくれ」
「かしこまりました。……ぼっちゃま」
「何だ」
「…………この二人は、本当にそれで幸せだと、思いますか?」
「愚問だな」

でなければ、何故こんなに二人は幸せそうに眠っているのか、説明がつかない。

「さて、私も雪穂の元に帰ろうかな」

そして、考えるのだ。
彼女の目覚めのために、次私がするべきことは何か、を。



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