お願い、私を見つけないで 〜誰がお前を孕ませた?/何故君は僕から逃げた?〜

Side悠木

「さあ、どうかな」
「私が知る限り、一路様の体こそ、雪穂様のパーツに使う予定だったはずなので、少々この判断は驚きました」
「……雪穂は、天才になりたがっていたからな」
「男性の体でも構わなかったと言うのですか?」
「中身が雪穂であれば」
「そうですか」

そう。雪穂であれば、何者でもいい。
ただ、彼女が発する言葉を聞き、彼女に見つめられたい。
中身さえ変わらなければ、例え姿形が変わっても、私は愛し続けられる。

「であれば、一路様をこのような形にしてしまったことは、やはりぼっちゃまにとっては想定外だったはず」
「……いや、そうでもないさ」
「と、言いますと?」
「男女が結ばれると言うときは、大抵の場合は性行為のことをさすだろう」

男女の性器を重ね合わせ、子供を作る。
もしくはそれに準じる行為。
大体男女が1つになれる方法は、それしかない。
だが。

「事が終わってしまえば、離れざるを得ないだろう?それだと寂しいじゃないか」