Side悠木
まず、君の大切なお友達だったはずの、藤岡実鳥さん。
彼女をあそこまで追い詰めるつもりはなかったのだが、少々僕の義母になるはずだった人と相性が悪かったみたいだね。
義母になるはずだった女性を、実鳥さんが殺してしまってね。
息子くんとどこかへ消えてしまったよ。
幸い、義母になるはずだった女性の身内は、私の雪穂だけだったから、例え行方不明になったところで、誰も探すことなんてなかったんだがね。
それでも、実鳥さんは消えてしまったよ。
どこに行ったのかは、分からない。
まあ、私には追いかける理由も、もうないからな。
彼女が選んだのは、彼女自身の平穏な生活でも、穏やかな恋でもなく、息子と生きる修羅の道だったということか。
……それが、母親というものなのかもしれないね。
私にはよくわからない。
私には、そういう母親もいなかったから。
そういえば、雪穂も母親に対する愛情は凄まじかったな。
母親に対する子供の思いもまた、修羅の道になりうるのか。
わからないな。
わかりたくもないな。
ただ、彼女は罪を犯し、子供のために地獄に落ちる道を選んだ。
その結果だけは間違いなく真実。
凪波さん。
もし、君を追いかけてさえ来なければ。
きっと彼女は温泉に浸かったような、優しい夢にいることができたのかもしれないのに。
それでも、選ばないといけない時が来てしまったから、彼女は選んでしまったのだろうな。その道を。
まず、君の大切なお友達だったはずの、藤岡実鳥さん。
彼女をあそこまで追い詰めるつもりはなかったのだが、少々僕の義母になるはずだった人と相性が悪かったみたいだね。
義母になるはずだった女性を、実鳥さんが殺してしまってね。
息子くんとどこかへ消えてしまったよ。
幸い、義母になるはずだった女性の身内は、私の雪穂だけだったから、例え行方不明になったところで、誰も探すことなんてなかったんだがね。
それでも、実鳥さんは消えてしまったよ。
どこに行ったのかは、分からない。
まあ、私には追いかける理由も、もうないからな。
彼女が選んだのは、彼女自身の平穏な生活でも、穏やかな恋でもなく、息子と生きる修羅の道だったということか。
……それが、母親というものなのかもしれないね。
私にはよくわからない。
私には、そういう母親もいなかったから。
そういえば、雪穂も母親に対する愛情は凄まじかったな。
母親に対する子供の思いもまた、修羅の道になりうるのか。
わからないな。
わかりたくもないな。
ただ、彼女は罪を犯し、子供のために地獄に落ちる道を選んだ。
その結果だけは間違いなく真実。
凪波さん。
もし、君を追いかけてさえ来なければ。
きっと彼女は温泉に浸かったような、優しい夢にいることができたのかもしれないのに。
それでも、選ばないといけない時が来てしまったから、彼女は選んでしまったのだろうな。その道を。



