Side朔夜
「嘘だ……でたらめだ……」
凪波が、僕のことを憎いなんて、言うはずがない。
凪波と僕は、体が溶け合うほど、抱き合った。
僕は凪波の肌の味も匂いも甘いことを知っている。
僕と凪波は、毎日同じご飯を食べて、同じものを見て、同じことで語らいあった。
まるで2人は元は1つだったんじゃないかって思うくらい、何もかもがしっくりきた。
むしろ側にいいない時の方が、不均衡で、不自然。
「僕たちの出会いは、運命なんだ」
ベッドの中で、毎晩交わした言葉と激情に、凪波も
「そうだね」
と、柔らかく微笑みながら僕を抱きしめてくれた。
それが、僕の凪波だ。
「海原、僕を怒らせればどうなるか、見ていたんじゃないのか?」
「……脅しか?」
「事実だ」
取り消せ。海原。
取り消して、その上で言ってくれ。
お前が1番凪波に愛されてるんだなと。
俺はもう、凪波を手放す、と。
「……お前とは話すことはもうねえよ」
「何?」
「もう、お前とも話すことはないだろうな」
「ちょっと待て」
「凪波も、お前には絶対見つけさせない」
「そんなこと、できるわけない」
僕は1度見つけたんだから。
お前がどんなに隠そうとも、見つけてみせる。
「お前こそ、そんなことできなくなると思うぞ」
「……何だと」
「凪波が、お前に見つかることをもう望んでいないんだからな。言ったろ、俺は凪波の望みは何でも叶えると」
そう海原が言った時だった。
何か、画像が届いた。
「せめてもの情けに、凪波の遺書、お前に送ってやったよ」
その言葉で、急いで僕は画像を開いた。
「せいぜいそれを読んで、自分が凪波も殺したことを自覚するんだな」
送られた何枚もの画像には、確かに凪波の筆跡だとわかる文字ばかりが踊っていた。
「嘘だろ……凪波……嘘だと言ってくれ……」
そこにあったのは。
凪波が僕をどれだけ憎んでいたのか、の証拠だった。
「嘘だ……でたらめだ……」
凪波が、僕のことを憎いなんて、言うはずがない。
凪波と僕は、体が溶け合うほど、抱き合った。
僕は凪波の肌の味も匂いも甘いことを知っている。
僕と凪波は、毎日同じご飯を食べて、同じものを見て、同じことで語らいあった。
まるで2人は元は1つだったんじゃないかって思うくらい、何もかもがしっくりきた。
むしろ側にいいない時の方が、不均衡で、不自然。
「僕たちの出会いは、運命なんだ」
ベッドの中で、毎晩交わした言葉と激情に、凪波も
「そうだね」
と、柔らかく微笑みながら僕を抱きしめてくれた。
それが、僕の凪波だ。
「海原、僕を怒らせればどうなるか、見ていたんじゃないのか?」
「……脅しか?」
「事実だ」
取り消せ。海原。
取り消して、その上で言ってくれ。
お前が1番凪波に愛されてるんだなと。
俺はもう、凪波を手放す、と。
「……お前とは話すことはもうねえよ」
「何?」
「もう、お前とも話すことはないだろうな」
「ちょっと待て」
「凪波も、お前には絶対見つけさせない」
「そんなこと、できるわけない」
僕は1度見つけたんだから。
お前がどんなに隠そうとも、見つけてみせる。
「お前こそ、そんなことできなくなると思うぞ」
「……何だと」
「凪波が、お前に見つかることをもう望んでいないんだからな。言ったろ、俺は凪波の望みは何でも叶えると」
そう海原が言った時だった。
何か、画像が届いた。
「せめてもの情けに、凪波の遺書、お前に送ってやったよ」
その言葉で、急いで僕は画像を開いた。
「せいぜいそれを読んで、自分が凪波も殺したことを自覚するんだな」
送られた何枚もの画像には、確かに凪波の筆跡だとわかる文字ばかりが踊っていた。
「嘘だろ……凪波……嘘だと言ってくれ……」
そこにあったのは。
凪波が僕をどれだけ憎んでいたのか、の証拠だった。



