Side実鳥
どうしよう。
どうしようどうしよう。
2人が、わざわざ私を置いて行くから、嫌な予感はした。
だから、気づかれないように、2人の後をつけた。
その予感は正しかった。
「海原は、葉より凪波を選んだ」
会話はところどころ聞こえないところもあった。
でも、はっきりと聞こえた。
「凪波と、もう1度会いたい」
と言った海原の声が。
どうして?と思った。
凪波は自分で死にたいと言ったのに。
だから行動したのに。
自分が会いたいからと言って、その思いを踏み躙るのか?
私だったら耐えられない。
自分の意思を無視された蘇生なんて。
それはまるで、自分の中で綺麗に終わらせた物語を、他人が好き勝手に描く後日談と同じじゃないか。
創作なら許される。
でも命はたった1つしかないのだ。
「海原……幻滅した……」
葉のことを、子供のように可愛がってくれていた。
私にも心を開いてくれていた。
3人でいる時、私は理想の家族像を思い描いていた。
恋じゃなくても愛はあって、海原は葉を選んでくれると思ってた。
だって、葉は確実に海原のことが好きだ。
凪波は海原を捨てた。
もう明白だったじゃないか。
どちらを選べば、穏やかに生きられるのか。
それなのに海原は女を取った。
自分に振り向くかどうかわからない女を。
「馬鹿みたい」
そんな男に、私は微かに期待をしていたのだ。
私たちをきっと最後には選んでくれると。
そういう期待を与えるような行動を、あの男はしたのだ。
でも……もうそんな期待は、希望は、闇へと消えた。
「守らなきゃ……私が……葉を……」
もう誰にも期待しない。
誰も頼らない。
葉が頼れるのは私だけ。
私が、葉を守る。
例えどんなことをしてでも。
そうしなければ、今度こそ私はこの世界から居場所を失ってしまう。
どうしよう。
どうしようどうしよう。
2人が、わざわざ私を置いて行くから、嫌な予感はした。
だから、気づかれないように、2人の後をつけた。
その予感は正しかった。
「海原は、葉より凪波を選んだ」
会話はところどころ聞こえないところもあった。
でも、はっきりと聞こえた。
「凪波と、もう1度会いたい」
と言った海原の声が。
どうして?と思った。
凪波は自分で死にたいと言ったのに。
だから行動したのに。
自分が会いたいからと言って、その思いを踏み躙るのか?
私だったら耐えられない。
自分の意思を無視された蘇生なんて。
それはまるで、自分の中で綺麗に終わらせた物語を、他人が好き勝手に描く後日談と同じじゃないか。
創作なら許される。
でも命はたった1つしかないのだ。
「海原……幻滅した……」
葉のことを、子供のように可愛がってくれていた。
私にも心を開いてくれていた。
3人でいる時、私は理想の家族像を思い描いていた。
恋じゃなくても愛はあって、海原は葉を選んでくれると思ってた。
だって、葉は確実に海原のことが好きだ。
凪波は海原を捨てた。
もう明白だったじゃないか。
どちらを選べば、穏やかに生きられるのか。
それなのに海原は女を取った。
自分に振り向くかどうかわからない女を。
「馬鹿みたい」
そんな男に、私は微かに期待をしていたのだ。
私たちをきっと最後には選んでくれると。
そういう期待を与えるような行動を、あの男はしたのだ。
でも……もうそんな期待は、希望は、闇へと消えた。
「守らなきゃ……私が……葉を……」
もう誰にも期待しない。
誰も頼らない。
葉が頼れるのは私だけ。
私が、葉を守る。
例えどんなことをしてでも。
そうしなければ、今度こそ私はこの世界から居場所を失ってしまう。



