Side朝陽
「ちょっと待て……待ってくれ……」
だめだ、頭がちっとも追いつかない。
あまりにも淡々に語られた、誰かの死。
ニュースで有名人が死んだことを突然聞かされるのも、それなりにショックではあるが、そんなものと比べ物にならない。
一路がライブ配信を始めたのはいつだ?
3時間くらい前だ。
1日の8分の1程度。
Twitterを見ると、その少し前まで宮川のりえは普通に日常を投稿していた。
明日も何かしら投稿するのではないか。
そんな当たり前が、当たり前に来るものだと、疑いようのない投稿がされていた。
それから、一路の生放送が始まった。
一路の暴露により、Twitter上が荒れた。
悲しいほどに凪いでいた海のような宮川のりえのアカウントは、一瞬にして何もかもを丸呑みする、大津波へと変化したかのように。
それからの、悠木先生からの即死報告。
そんな簡単に変わるものなのか?
状況も、人も。
そんな簡単になくなるものなのか?
理性も、そして命も。
「聞かないのかい?」
現実が流れるスピードに追いつけない、愚鈍な脳みそを頑張って働かせながら、俺が悠木先生に聞けたのはこれだけだった。
「何を……ですか……」
「嘘じゃないんですかって。さっきまでの君なら、きっとそういうことを言うと思っていたがね」
ああ、そうか。
そうだよな。
嘘な可能性もあるよな。
でも、ダメだ。
分からない。
ついていかない。
今俺が何を言うべきか。
だって。
俺が言ったからこうなったんじゃないかと、怖かったから。
殺してやりたいと、書いたのは、俺だったから。
「ちなみに言っておくが、今のは本当の電話だ。私は立場上全ての救命救急とつながっていてね。こういう時は連絡が入るようになっていたんだ」
「こういう時……?」
「人が自殺を図った時さ。…………凪波さんの時もね、同じだったよ」
「なっ……!!」
と言うことは、悠木先生が俺たちに話したのは……。
この場所に凪波が来たと言うのは嘘だったと言うことか……?
分からない。
もう何も。
「ちょっと待て……待ってくれ……」
だめだ、頭がちっとも追いつかない。
あまりにも淡々に語られた、誰かの死。
ニュースで有名人が死んだことを突然聞かされるのも、それなりにショックではあるが、そんなものと比べ物にならない。
一路がライブ配信を始めたのはいつだ?
3時間くらい前だ。
1日の8分の1程度。
Twitterを見ると、その少し前まで宮川のりえは普通に日常を投稿していた。
明日も何かしら投稿するのではないか。
そんな当たり前が、当たり前に来るものだと、疑いようのない投稿がされていた。
それから、一路の生放送が始まった。
一路の暴露により、Twitter上が荒れた。
悲しいほどに凪いでいた海のような宮川のりえのアカウントは、一瞬にして何もかもを丸呑みする、大津波へと変化したかのように。
それからの、悠木先生からの即死報告。
そんな簡単に変わるものなのか?
状況も、人も。
そんな簡単になくなるものなのか?
理性も、そして命も。
「聞かないのかい?」
現実が流れるスピードに追いつけない、愚鈍な脳みそを頑張って働かせながら、俺が悠木先生に聞けたのはこれだけだった。
「何を……ですか……」
「嘘じゃないんですかって。さっきまでの君なら、きっとそういうことを言うと思っていたがね」
ああ、そうか。
そうだよな。
嘘な可能性もあるよな。
でも、ダメだ。
分からない。
ついていかない。
今俺が何を言うべきか。
だって。
俺が言ったからこうなったんじゃないかと、怖かったから。
殺してやりたいと、書いたのは、俺だったから。
「ちなみに言っておくが、今のは本当の電話だ。私は立場上全ての救命救急とつながっていてね。こういう時は連絡が入るようになっていたんだ」
「こういう時……?」
「人が自殺を図った時さ。…………凪波さんの時もね、同じだったよ」
「なっ……!!」
と言うことは、悠木先生が俺たちに話したのは……。
この場所に凪波が来たと言うのは嘘だったと言うことか……?
分からない。
もう何も。



