お願い、私を見つけないで 〜誰がお前を孕ませた?/何故君は僕から逃げた?〜

Side朔夜


ねえ、凪波。

君は今、僕が君のために何をしているのか、見えるかな。

側にはきっと、彼がいるよね。

それは本当なら耐え難いほど辛いけれど、今は仕方がないと割り切るようにしているよ。

だって、彼が見ている画面や、聞いている音を通じて、君にも届いていると思っているから。


凪波。

僕はね、君が僕を守ろうとしてくれることよりも。

僕に君を守らせて欲しかったよ。

僕は、そういう愛し方をしたかったよ。


でも、まだ間に合うよね。

君がちゃんと安心して戻ってこられるように。

もう2度と、君が同じ苦しみを味わわないように。



ちゃんと、君が受けた地獄を広めてあげる。



ほら、見てごらん。

僕には、君がされたことの報復をちゃんとできるだけの力を持っているんだよ。

君が僕にくれた声が、言葉が、力が、君のための復讐の糧にちゃんとなってる。

まず君は、Twitterに君の名前が晒されていたんだよね。

写真が晒されてたんだよね。

それから過去の経歴も。



大丈夫。

任せて。

僕が、あいつらにそれ以上の苦しみを与えてあげるから。


その時は、凪波。

どうかまた、僕を愛していると……言って。

朔夜と、呼んで。

そのためなら僕は、死神に魂を売るから。