Side朔夜
「コメントで教えてください」
僕の合図をきっかけに、言葉のナイフが次々と放たれていく。
すでに視聴者数は40万人を超えていて、その内のほとんどは他人事のように眺めているだけなのだろう。
流れていくコメント欄を見ていて、僕はあることに気づいた。
最初こそ
「信じてたのに!」
「貢いだ分の金を返せ」
「汚い、キモい」
「女に溺れてただけ」
「穢らわしい」
などと、僕への誹謗中傷の方が圧倒的に多かった。
特に、凪波のことを告白し、彼女がどれだけ僕にとって女神のような存在であるかを語っていたあたりでは、正直書き込む人間の知性は完全に、言葉という道具を覚えたにすぎない獣以下だった。
別に、僕に対する誹謗中傷なんか今更気にしない。
些細なことで喧嘩をした後に、凪波から無視される方がずっと辛いと知っていたから。
ゴミクズの言葉は、所詮ゴミにしか過ぎない。
誰かが拾わないからこそ、溜まっていき、目立っているように見える。
けれど中身をよくよく見ると、いかに僕にも、世の中にも何の影響も与えない意味もない文字のかけらであることがよく分かる。
凪波と僕が生活をしている時はむしろ、不自然なほどに、このゴミクズを僕が目にすることはなかった。
……凪波が、きっと僕のために掃除をしていてくれたんだろうなと思うのは容易だ。
だからこそ、凪波に今の僕を見て欲しかった。
例え何を言われても、僕の心を脅かすものなどない。
ナイフを突きつけられたとしても、きっと僕は今の僕であり続けられる。
もし、凪波がそんな僕を1回でも見てくれていたならば、凪波は僕にもっと頼ってくれただろうか。
僕に、凪波を守らせてくれただろうか……。
「ふう」
僕は、わざと画面の前の人間たちに聞かせるようにため息をついた。
まだ、期待した答えは返ってこない。
もういい加減、答える気のないコメントばかりを眺めることにはうんざりしていた。
早く僕は、次の本題へと進みたい。
さっきの、社長の暴露なんかは準備運動にすぎない。
でも僕からはその本題は言わない。
僕からスタートしたのでは、意味がない。
誰か……誰でもいい……。
あのワードを……僕が欲しい言葉を誰かくれないか。
そう思った時だった。
「みんな殺してやりたい。お前も」
……来た。
「コメントで教えてください」
僕の合図をきっかけに、言葉のナイフが次々と放たれていく。
すでに視聴者数は40万人を超えていて、その内のほとんどは他人事のように眺めているだけなのだろう。
流れていくコメント欄を見ていて、僕はあることに気づいた。
最初こそ
「信じてたのに!」
「貢いだ分の金を返せ」
「汚い、キモい」
「女に溺れてただけ」
「穢らわしい」
などと、僕への誹謗中傷の方が圧倒的に多かった。
特に、凪波のことを告白し、彼女がどれだけ僕にとって女神のような存在であるかを語っていたあたりでは、正直書き込む人間の知性は完全に、言葉という道具を覚えたにすぎない獣以下だった。
別に、僕に対する誹謗中傷なんか今更気にしない。
些細なことで喧嘩をした後に、凪波から無視される方がずっと辛いと知っていたから。
ゴミクズの言葉は、所詮ゴミにしか過ぎない。
誰かが拾わないからこそ、溜まっていき、目立っているように見える。
けれど中身をよくよく見ると、いかに僕にも、世の中にも何の影響も与えない意味もない文字のかけらであることがよく分かる。
凪波と僕が生活をしている時はむしろ、不自然なほどに、このゴミクズを僕が目にすることはなかった。
……凪波が、きっと僕のために掃除をしていてくれたんだろうなと思うのは容易だ。
だからこそ、凪波に今の僕を見て欲しかった。
例え何を言われても、僕の心を脅かすものなどない。
ナイフを突きつけられたとしても、きっと僕は今の僕であり続けられる。
もし、凪波がそんな僕を1回でも見てくれていたならば、凪波は僕にもっと頼ってくれただろうか。
僕に、凪波を守らせてくれただろうか……。
「ふう」
僕は、わざと画面の前の人間たちに聞かせるようにため息をついた。
まだ、期待した答えは返ってこない。
もういい加減、答える気のないコメントばかりを眺めることにはうんざりしていた。
早く僕は、次の本題へと進みたい。
さっきの、社長の暴露なんかは準備運動にすぎない。
でも僕からはその本題は言わない。
僕からスタートしたのでは、意味がない。
誰か……誰でもいい……。
あのワードを……僕が欲しい言葉を誰かくれないか。
そう思った時だった。
「みんな殺してやりたい。お前も」
……来た。