Side朔夜
クソみたいなノイズは、すべて断ち切った。
コメントは、濁流のように流れ続けているけど、もう何の文字なんか僕には判別がつかない。
もう僕は、数字も文字も追う必要はないから。
あとは、進むだけだから。
僕は、カメラで映されているにも関わらず、改めて部屋を眺める。
凪波に無理やり同棲を持ちかけ、一緒に住み続けた部屋。
この部屋の中だけは、唯一僕らが、本当の意味で誰の目も気にせず、二人でいられた。
だから、もしも僕が……僕のファンに向けて本当のことを……凪波の事を話すことを許される日が来たら、この部屋で話したいと思っていた。
でも、決してこんな形じゃなくて。
もっと……心の底から幸せだと、できるなら言いたかった……。
僕は、本番前と同じようにすうーっと、深く息を吸った。
そして、腹から息を吐く。
吐ききったところで、僕はカメラを見据える。
カメラの向こう側にいる……50万人の視聴者を意識する。
彼らに理解されなくても構わない。
数人でいい。
その数人さえ動いてくれれば、僕は凪波のための勝利を掴むことができると確信している。
僕は、祈りの告白を始めた。
「僕には、何者にも代えられないほど、強く愛している女性がいます。愛する女性がいなければ、きっと僕は一路朔夜にはなれなかった」
コメント欄が、急に真っ白なさざなみのように見えた。
クソみたいなノイズは、すべて断ち切った。
コメントは、濁流のように流れ続けているけど、もう何の文字なんか僕には判別がつかない。
もう僕は、数字も文字も追う必要はないから。
あとは、進むだけだから。
僕は、カメラで映されているにも関わらず、改めて部屋を眺める。
凪波に無理やり同棲を持ちかけ、一緒に住み続けた部屋。
この部屋の中だけは、唯一僕らが、本当の意味で誰の目も気にせず、二人でいられた。
だから、もしも僕が……僕のファンに向けて本当のことを……凪波の事を話すことを許される日が来たら、この部屋で話したいと思っていた。
でも、決してこんな形じゃなくて。
もっと……心の底から幸せだと、できるなら言いたかった……。
僕は、本番前と同じようにすうーっと、深く息を吸った。
そして、腹から息を吐く。
吐ききったところで、僕はカメラを見据える。
カメラの向こう側にいる……50万人の視聴者を意識する。
彼らに理解されなくても構わない。
数人でいい。
その数人さえ動いてくれれば、僕は凪波のための勝利を掴むことができると確信している。
僕は、祈りの告白を始めた。
「僕には、何者にも代えられないほど、強く愛している女性がいます。愛する女性がいなければ、きっと僕は一路朔夜にはなれなかった」
コメント欄が、急に真っ白なさざなみのように見えた。