Side朝陽
やっぱりおかしい。
心の片隅で、俺は思っていた。
凪波の冊子を持ってきた時も。
その後「凪波を諦める」と言った時も。
俺が知っている、今の藤岡は、常に葉や俺、りんご園のみんな……SNSで繋がっているフォロワーにすら気を配る人間だ。
藤岡は、ここに来る時もそうだ。
冷静でいられなかった俺の暴走を止めるため、わざわざ葉を連れて来てくれた。
それはきっと、俺が間違いをしないため。
俺の失敗は、俺だけの責任ではなくなっている。
俺が抱えている従業員や、俺の顧客に影響が出ることを、藤岡は俺以上に理解をしている。
藤岡実鳥とは、そういう奴なのだ。
そして俺は、そんな藤岡の事を、仲間として、人間として尊敬している。
だから。
藤岡の事を知らない一路は、藤岡の「諦める」発言を聞いて藤岡に怒りをぶつけたが、俺はそうしなかった。
何か訳があると思ったから。
そして、その内の1つは凪波が残した冊子であることはわかった。
でも、きっとそれだけではない。
まだ他に何かある。
俺は、そう確信を持てるほど、藤岡実鳥に助けてもらった。
だから。
俺はそれが起きた時、動揺はした。
「藤岡!!!!??」
藤岡の背後に影が現れた。
その影が、藤岡の首筋に注射を刺して、藤岡が崩れるように倒れた。
「藤岡!!!!」
俺が、藤岡の元に駆け寄ろうとすると、俺と藤岡の間に白衣を着た男が間に入ってきた。
それが誰かは、もう1人しか心当たりはない。
怪しい薬の臭いに包まれた、最初は希望だと思っていた人。
そして今は……。
「大丈夫だ。実鳥さんはただ眠っただけだ」
「そういうことじゃ、ないですよね?」
その注射の中身はなんなのか。
何故、藤岡の首筋に注射をしたのか。
何故、藤岡は倒れなくてはいけなかったのか。
そして何故……凪波の冊子が彼の所にあり、凪波がここにいるのか。
悠木清。
今は俺にとって、疑惑の人が、俺を見下ろしていた。
どんな表情をしているのかは、逆光になっていて、まだ見えない。
やっぱりおかしい。
心の片隅で、俺は思っていた。
凪波の冊子を持ってきた時も。
その後「凪波を諦める」と言った時も。
俺が知っている、今の藤岡は、常に葉や俺、りんご園のみんな……SNSで繋がっているフォロワーにすら気を配る人間だ。
藤岡は、ここに来る時もそうだ。
冷静でいられなかった俺の暴走を止めるため、わざわざ葉を連れて来てくれた。
それはきっと、俺が間違いをしないため。
俺の失敗は、俺だけの責任ではなくなっている。
俺が抱えている従業員や、俺の顧客に影響が出ることを、藤岡は俺以上に理解をしている。
藤岡実鳥とは、そういう奴なのだ。
そして俺は、そんな藤岡の事を、仲間として、人間として尊敬している。
だから。
藤岡の事を知らない一路は、藤岡の「諦める」発言を聞いて藤岡に怒りをぶつけたが、俺はそうしなかった。
何か訳があると思ったから。
そして、その内の1つは凪波が残した冊子であることはわかった。
でも、きっとそれだけではない。
まだ他に何かある。
俺は、そう確信を持てるほど、藤岡実鳥に助けてもらった。
だから。
俺はそれが起きた時、動揺はした。
「藤岡!!!!??」
藤岡の背後に影が現れた。
その影が、藤岡の首筋に注射を刺して、藤岡が崩れるように倒れた。
「藤岡!!!!」
俺が、藤岡の元に駆け寄ろうとすると、俺と藤岡の間に白衣を着た男が間に入ってきた。
それが誰かは、もう1人しか心当たりはない。
怪しい薬の臭いに包まれた、最初は希望だと思っていた人。
そして今は……。
「大丈夫だ。実鳥さんはただ眠っただけだ」
「そういうことじゃ、ないですよね?」
その注射の中身はなんなのか。
何故、藤岡の首筋に注射をしたのか。
何故、藤岡は倒れなくてはいけなかったのか。
そして何故……凪波の冊子が彼の所にあり、凪波がここにいるのか。
悠木清。
今は俺にとって、疑惑の人が、俺を見下ろしていた。
どんな表情をしているのかは、逆光になっていて、まだ見えない。