memo凪波

ずっと、見たくなかった。
ずっとずっと、考えたくなかった。
ずっとずっとずっと、逃げていた。
あの人と私の関係性から。
あの人の想いから。

2度と、あの人の姿見られなくなるかもということを考えた。
2度と、あの人から愛していると言われないかもということを考えた。
2度と、あの人から抱きしめられないかもしれないということを考えた。

自分の意思で、そうなることを望んでいたはずなのに。
どうして今、私はこんなにも悲しいんだろう。
寂しいと思うんだろう。

あの人を知った時、私は嫉妬した。
あの人と出逢わせた全てを、呪った。
あの人を存在させた神様が、憎かった。


はずなのに。


どうして私は泣いているんだろう。
私は今、一体何が悲しいのだろう。


あの人のせいで人生を奪われ続けた自分なのだろうか。
あの人のせいで奪われた私の赤ちゃんなのだろうか。



それとも。
私があの人を愛していることを気付かされたことだろうか。