memo凪波

今日私は、神様に会った。
望みを聞かれた。
お金でも地位でもないと答えた。
では、他に何があるのか?と聞かれた。
私は考えた。
幸せだと思える人生だったらよかったのに、と言った。
じゃあ、幸せな人生とは何かを聞かれた。
分からないと私は言った。
じゃあ、1番幸せだと思った日はどこかと聞かれた。
考えた。
いっぱい、考えた。
1つ、思い当たるものがあったけれど、これは違うと見ないふりをした。
それからもう1回、いっぱい考えた。

長い時間かかって、やっと思い出せた。
私が1番幸せだった日。
高校の卒業式。
未来しか見えなかった日。

帰りたいと言った。
神様は言った。
帰してあげるよと。

でも、と神様は続けた。
君が今愛している人には2度と会えなくなるよと。
私の頭に、あの人が甦ってしまった。