memo凪波

今日の私はどうかしていた。
あんなに、外ではあの人と他人のフリを徹底していたのに。
もう私は疲れていたのかもしれない。
あの人の声が後ろから聞こえてすぐ、泣きそうになってしまった。
優しい声に私は演技の皮を剥がしてしまった。
後で気づいてすぐ、ヘッドホンであの人の声を入れないようにした。
あの人の声は麻薬だ。
聞けば聞くほど私をダメにしていく。
だから、宮川さんが近づいてきたことも気づけなかった。
宮川さんはあれから敵意剥き出しにしてきたし、私のことを舐めるような態度を取り始めた。
罪悪感もあったから、しばらくは容認していたけど、流石に今日は無理だった。
あの人は今大事な時期だ。
そんな時に、宮川さんなんかに邪魔されるわけにはいかなかった。
だから、厳しく対応した。それだけだ。
それだけであるべきだ。