memo凪波

嘘つきと言われた。
必ず有名にしれやるって言ったのに、と。
そんなこと、私は言っていない。
ただ、夢を叶えたいなら最低限以上の努力をしろと言っただけだ。
きっとあの言葉の解釈を間違えたのだろう。
もしくは、社長が吹き込んだのだろうか。
言いそうな言葉は察しがつく。
畑野についていけば、何もかもうまくいく。
そんな風に期待値をあげていたのだろう。
そうではないことくらい、1番わかっているだろうに。
怒鳴られることは慣れている。
だけど、泣かれるのは慣れない。
あの泣き顔は、できればもう見たくない。
きっと私も、あんな顔をしていたのだろうかと、封印した過去を思い出してしまうから。
いつになれば、私は解放されるのだろう。