Side朔夜
※少しだけ強めの性描写が入ってます。
苦手な方は次のページのお進みください。
(このページをスキップしてもお話がわかるようになっています)




















あの日も、彼女が声を枯らすほど激しく溶け合った。
自分の一部にしたいという渇望は、どうすれば解消されるというのだろう。

彼女の白くて透き通る、陶器のような肌を丁寧に撫でても、背中の隅から隅まで、僕のものである証を残しても……彼女の女の象徴を空い尽くしても、決して枯れることない、愚かなほどの雄としての欲。

そして彼女の中に入り込み、互いの境目を感じなくなるくらい、ぐちゃぐちゃに混ざり合った。
水音と、ベッドが軋む音は、聴覚の麻薬とでも言えるほど、その音を聞けば聞くほど、僕の体が叫ぶ。

もっとくれ。
彼女の全てを僕にくれ、と。

彼女は時折苦しそうに眉をひそめ、目には涙を浮かべていた。
その表情はいつも、僕を全身で受け止めるときに、よく見ていた、僕が最も愛する彼女の表情。
僕が欲しいと、全身で叫んでいるような表情。

彼女が、僕だけのものであることが実感できるのは、その表情を見ている時と、いつものように、「全てが終わり」、ゆったりとベッドに沈むときに見せる無防備な寝顔。

そんな夜を僕の部屋で過ごした後、いつもは朝起きた後の食事の話をしたり、予定を話したり……ゆっくりと日常に帰る。

だからあの日も、同じだと思っていたんだ。