memo凪波

私は、あの日以来事務所に寝泊まりしている。
夜は社長の目の届くところにいるように言われたから。
社長は、私のマネージャーとしての仕事は評価していたみたいで、結局マネージャーとしての業務は続いた。
現場で会うたびに、あの人に目で訴えられる。
いつ帰ってくるの?と。
私は、そんな彼の目を見たくなくて、あの日以来彼の目が見られなくなった。
あの人がどんな目で私を見ていたとしても、私は受け入れないといけないはずなのに。
あの人のことを考えるたびに、ご飯を食べてもすぐに吐いてしまうようになった。
お金がなくて食べられなかった時代の方がまだ良かったのかもしれない。
あの時は、希望があったから。
耐えればいつか、出口があると思っていたから
だけど今は、出口が見えない。
次から次へと、ネットに出てくるあの人の熱愛情報の処理もしないといけない。
責任を持てと、社長に言われたから。
あの日私があの子にしたことがどういうことだったのか、ようやく身を持って実感した。
あの時の罪が、今私に返ってきたのだろう。
神様はあの時の私を、許してなんかいなかったのだろう。
あの人に会わないことで、この罪が消えてくれるなら、私はあの人に会えなくても、もういいと思っていたのに。
でも、あの人に会いたい。
こんな自分、大嫌いすぎて、消えてしまいたい。