memo凪波
社長が私とあの人を呼び出した。
社長が考えたシナリオ通りに、あの人に言った。
あの人は、自分がどんな状況になっているかは、さすがに理解したようだった。
全ては社長が作ったシナリオ。
私とあの人を、本当の意味で引き剥がすための。
納得していた。
2枚の写真は、社長がわざと知り合いに撮らせたもの。
あの話をするためにでっち上げた。
こうすれば、あの人にもしも自覚があるのなら、きっと決断するだろうと、社長は言った。
それが、社長のあの人に対する理解だった。
自信があるようだった。
その理由は、聞かなかった。
もう、聞いたところで意味がないと思っていたから。
あの人はセリフを私の前で言った。
女にうんざりしていると。
適当に遊んだだけだと。
それがあの人の演技であることは、私も社長も分かってしまう。
まだあの人は、演技をリアルにすることには慣れていないから。
顔には出さないけれども、どれだけあの人が必死なのか横から伝わってくるので、私は涙を堪えるのでいっぱいいっぱいだった。
社長が、あのパンフレットを見せた時、私は過去の事を思い出した。
それが、私がかつて働いた、風俗店だったから。
社長のお友達が経営していた。
声優になりたいという私の願いを聞き入れてくれて、社長を紹介してくれた。
どんどん汚れていく体と引き換えに、夢に近づく喜びを得ていたあの時期。
心が引き裂かれそうになっていた。
朝が早くくれば良いのにと願い、夜はまだきてほしくないと怯えた場所。
あの人に、自分の過去に関わる場所をわざわざ紹介されてしまった。
社長は、あの人にではなく、私に警告したのだとすぐに分かった。
どうなるか分かっているな、と。
私はどこで間違えたんだろう。
社長が私とあの人を呼び出した。
社長が考えたシナリオ通りに、あの人に言った。
あの人は、自分がどんな状況になっているかは、さすがに理解したようだった。
全ては社長が作ったシナリオ。
私とあの人を、本当の意味で引き剥がすための。
納得していた。
2枚の写真は、社長がわざと知り合いに撮らせたもの。
あの話をするためにでっち上げた。
こうすれば、あの人にもしも自覚があるのなら、きっと決断するだろうと、社長は言った。
それが、社長のあの人に対する理解だった。
自信があるようだった。
その理由は、聞かなかった。
もう、聞いたところで意味がないと思っていたから。
あの人はセリフを私の前で言った。
女にうんざりしていると。
適当に遊んだだけだと。
それがあの人の演技であることは、私も社長も分かってしまう。
まだあの人は、演技をリアルにすることには慣れていないから。
顔には出さないけれども、どれだけあの人が必死なのか横から伝わってくるので、私は涙を堪えるのでいっぱいいっぱいだった。
社長が、あのパンフレットを見せた時、私は過去の事を思い出した。
それが、私がかつて働いた、風俗店だったから。
社長のお友達が経営していた。
声優になりたいという私の願いを聞き入れてくれて、社長を紹介してくれた。
どんどん汚れていく体と引き換えに、夢に近づく喜びを得ていたあの時期。
心が引き裂かれそうになっていた。
朝が早くくれば良いのにと願い、夜はまだきてほしくないと怯えた場所。
あの人に、自分の過去に関わる場所をわざわざ紹介されてしまった。
社長は、あの人にではなく、私に警告したのだとすぐに分かった。
どうなるか分かっているな、と。
私はどこで間違えたんだろう。



