memo凪波

社長から呼び出された。
深夜に。
ネットに流出した、私との写真のことだろう。
朝イチで事務所に来いとだけ、書いてあった。
ちょうどオフだった。
あの人は私と1日中過ごすのが楽しみだと、寝る前にも話していたところだった。
一人で外に行けば良いのにと勧めたが、あの人は頑なに私と一緒にいるんだと言っていた。
せっかくだから、見せたい映画をこの機会に見てもらおうかと、リストアップは終わらせていた。
その矢先だった。

さっきまで、あの人の横でこれでもかと愛された。
明日はどこにも行かないからと、容赦無く何度もされたから。
もう、彼の避妊具の在庫はさっき無くなってしまったから、ネットで注文しておいた。
皮肉だ。
本当に。
このまま離れろと言われる可能性の方が高いのに。
実際そうした方が、安全だったと、私は分かっていたはずなのに。
私は彼に愛されるための対策を、またもや買ってしまったのだ。
本当に、滑稽だ。

あの人はまだ、社長が、私とあの人の関係性をすでに知っているなんて知らない。
社長がもし知っていてこの関係を黙認しているとあの人が言ったら、油断するかもしれない。
そう、社長が言ったから。

私は、明日社長になんて言われるんだろう。
私は、その時何を考えるんだろう。