memo凪波

ベッドシーンは少女漫画の中で最もドキドキするシーンだと、私は思う
最初、こういうシーンを知ったのは、実鳥に教えてもらった漫画から。
辛い思いをしながら2人が結ばれていく、感動的なラブストーリー。
ベッドシーンはとても激しいもので、読みながら濡れることも初めて経験した。
きっと、お母さんが見たら発狂でもしそう。
だから、絶対にこんなものを読んでるって知られないように必死だった。
けど、お母さんの目がなければ、もっとたくさん、こういうシーンが読みたいとも思った。

私もそうやって、好きな人ができて、好きな人に愛されて、抱きしめられる日がくるのかと、わくわくしたこともあった。
処女だと告白して、大事にするって言われてから、少し時間をかけて繋がる。
痛いか聞かれて、痛くないって、嘘をいう。それから、好きにしていいよって女の人が言ってから、男の人が夢中になっていく。
そして2人で抱きしめ合いながら、最後を迎える。
保健体育の授業では、射精という2文字で済む話だが、きっとその瞬間を迎えるまでのドラマはすごいのだろうと思った。
初めてそんな日が来るのは、いつ、どんな場所で……そして誰とだろうって、何度も妄想した。
でも現実は違った。
痛みだけで終わった。
心も、体も。
記憶に残ってるのは、その人がくれたお金のおかげで養成所に通えることと、お酒と汗がまじった不快な臭いだけ。