memo凪波

あの子……私なんかよりもずっとすごいことしてお金もらってたんだ。
ううん。お金だけじゃない。
あの子と一緒にラブホ入った人、私知ってる。
忘れるはずない。
だって、試験の時、私の演技を唯一ボロクソに言ってきた、事務所の先輩声優だったから。
私は知らなかったけれど、映画の吹替の方では知らない人はいないって、あの子が教えてくれた。
そっか。そうだったんだ。
そういうことだったんだ。
悔しい。悔しい悔しい悔しい悔しい。
それが何を意味しているかは私だって想像つく。
あの子は、体で夢を手に入れたんだ。
そして体で、私の夢を奪ったんだ。
許せない。絶対に。

写真は、1枚しか撮れなかった。
でも、1枚はある。
これは、どうやって使おうかな。
とっておきのタイミングで、使いたい。