Side朝陽
「じょ、冗談だろ?」
背中からじんわりと、汗が滲む。
一路の低い声は、俺の筋肉をこわばらせ、体を硬直させた。
この男は本気でやる。
そう、思わせる説得力があった。
「さあ……どうかな……?」
くすりと、嫌な微笑みをされたことで、それが一路の冗談だと分かった。
「おい……ほんとやめてくれよ……」
「そんなだから、童て」
「やめろって!言うなバカ!!」
何だよ、このコントみたいな流れ。
さっきまで、めちゃくちゃシリアスな雰囲気だったのに。
一路のあの……発言から、少し空気が変わった気がした。
まさか、俺を落ち着かせようと……わざと?
そう聞こうとしたが
「何してる」
「え?」
「早く外せ」
前言撤回。
俺のために、一路が何かをするはずないじゃないか。
だって俺は……。
「なあ……」
「何だ?」
「…………いや、何でもない」
俺は、聞こうとしてやめた。
お前は、凪波とこれからどうなりたいのか?と。
そんなことを、今聞いてどうにかなるわけじゃない。
まずは、一歩ずつ。
凪波のことを知る。
そこからだ。
「とりあえず、細い棒のものがないか……」
俺が部屋を漁ろうとした、その時だった。
「その必要はございません」
俺の背後に、音もなく現れたのは……山田さんだった。
手には、小さな鍵らしきものを持っていた。
窓の外は、すっかり明るくなっていた。
「じょ、冗談だろ?」
背中からじんわりと、汗が滲む。
一路の低い声は、俺の筋肉をこわばらせ、体を硬直させた。
この男は本気でやる。
そう、思わせる説得力があった。
「さあ……どうかな……?」
くすりと、嫌な微笑みをされたことで、それが一路の冗談だと分かった。
「おい……ほんとやめてくれよ……」
「そんなだから、童て」
「やめろって!言うなバカ!!」
何だよ、このコントみたいな流れ。
さっきまで、めちゃくちゃシリアスな雰囲気だったのに。
一路のあの……発言から、少し空気が変わった気がした。
まさか、俺を落ち着かせようと……わざと?
そう聞こうとしたが
「何してる」
「え?」
「早く外せ」
前言撤回。
俺のために、一路が何かをするはずないじゃないか。
だって俺は……。
「なあ……」
「何だ?」
「…………いや、何でもない」
俺は、聞こうとしてやめた。
お前は、凪波とこれからどうなりたいのか?と。
そんなことを、今聞いてどうにかなるわけじゃない。
まずは、一歩ずつ。
凪波のことを知る。
そこからだ。
「とりあえず、細い棒のものがないか……」
俺が部屋を漁ろうとした、その時だった。
「その必要はございません」
俺の背後に、音もなく現れたのは……山田さんだった。
手には、小さな鍵らしきものを持っていた。
窓の外は、すっかり明るくなっていた。