Side朝陽

「そろそろ終わったかな……」
今日は、凪波と凪波の親友で……俺の部下でもある藤岡が一緒に夕飯を食べているところだ。
酒を飲ませるんだ〜と藤岡は言っていたが、酒を飲んだ記憶も、恐らく凪波にはないだろう……。
今までは体のこともあり、酒を飲ませるのは控えていたので、どう言う状態になるか全く予測がつかない。

「やっぱり迎えに行くか……」
そう思い、出かける準備を始めたところに、ちょうどラインが入った。


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LINE画面

<実鳥>
やっほやっほー。色男さん。

<海原>
……なんだよ。

<実鳥>
色々聞いちゃった〜♪

<海原>
……それより、凪波は?

<実鳥>
はいはい。どうせ部下より婚約者ですよね。
せっかく良い情報を教えてあげようと思ったのに〜♪

<海原>
なんだよ。

<実鳥>
インスタ見てくれた〜?

<海原>
……ちょっと待て

<海原>
……なんだよこの写真!

<実鳥>
かわいいかわいい、お嫁さんの背中。
色気あるでしょ〜。

<海原>
なんでこう言う写真載せんだよ!

<実鳥>
いや〜夫婦揃って同じ反応、かわいいな〜もう。
あ、ちなみに被写体には許可は正式に取りましたから、しっかり目に焼き付けてくださいまし。
試着だけでも綺麗だったから、本番はどうなることやら……。

<海原>
どうせ見せるなら、勿体ぶらずに見せろ!

<実鳥>
だめだめ。こういうのは焦らした方が、感動が何倍にも膨れ上がるんだから。
あとちょっとくらい我慢しなさい。

<海原>
ったく、わかりましたわかりました。
優秀なマーケティング部長様の言う通りにいたします。

<実鳥>
うむ、よろしい。

<海原>
で、話はそれだけか?

<実鳥>
あーまってまって。
今お開きになったから。で、凪波、駅の方少し散歩してから家に帰るって言ってたから。

<海原>
お、ちょうど迎えに行こうと思ってたんだ。
サンキュ。

<実鳥>
はいはい、気をつけていってら〜。
最後にいいものあげるから。

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そうして送られてきたのは、凪波と藤岡のツーショット。
ピースしている左手に自分があげた指輪が光っている。

なんだかにやける。
俺はその写真と、藤岡のインスタの写真の両方を保存してから、車のキーを持った。