Side朔夜
凪波は、さらに言葉を続けた。
「その時の気持ちを、もう少し強くしたものが、後生だ……って言葉じゃないかって、思わない?」
「強く……?」
「そう。一生のお願いよりずっと重い……来世に繋がるお願い」
「来世……?」
まだ僕は、凪波の話にピンっときていない。
そんな僕のために、凪波はより僕に伝わるように文章を考えてくれた。
「ここで後生のお願いをすれば、来世は1つも願いが叶わなくてもいいってこと」
ここまで言われて、ようやく理解した。
「もし、僕の前世が、後生の願いをしていたとしたら、僕の今世は願いが叶わないってこと?」
「まあ……そういう事かもね」
なるほど。
それは確かに、難しい。
もし前世で、美味しい柿が食べたいと考えて、それを後生の願いだと神に祈ったとしたら。
その柿を手に入れるのと引き換えに、未来で願いが叶わない。
重いな……。
僕は、凪波を抱き寄せながら
「じゃあ僕は、前世では後生の願いを言ってないな」
と言った。
「何で?」
僕を見上げる凪波の、小動物のような顔にキスをしながら、僕は
「どうしてでしょう?」
とだけ言って誤魔化して、もう1度キスをしてから
「ありがとう」
と凪波にお礼を言った。
凪波は、くすっと可愛い微笑みを浮かべてから
「理解できた?」
とだけ聞いてきた。
僕は頷いてから、凪波の頬に最後もう1度軽くキスをしてから、練習に戻った。
凪波は、いつの間にか僕の腕の中からいなくなっていた。
凪波は、さらに言葉を続けた。
「その時の気持ちを、もう少し強くしたものが、後生だ……って言葉じゃないかって、思わない?」
「強く……?」
「そう。一生のお願いよりずっと重い……来世に繋がるお願い」
「来世……?」
まだ僕は、凪波の話にピンっときていない。
そんな僕のために、凪波はより僕に伝わるように文章を考えてくれた。
「ここで後生のお願いをすれば、来世は1つも願いが叶わなくてもいいってこと」
ここまで言われて、ようやく理解した。
「もし、僕の前世が、後生の願いをしていたとしたら、僕の今世は願いが叶わないってこと?」
「まあ……そういう事かもね」
なるほど。
それは確かに、難しい。
もし前世で、美味しい柿が食べたいと考えて、それを後生の願いだと神に祈ったとしたら。
その柿を手に入れるのと引き換えに、未来で願いが叶わない。
重いな……。
僕は、凪波を抱き寄せながら
「じゃあ僕は、前世では後生の願いを言ってないな」
と言った。
「何で?」
僕を見上げる凪波の、小動物のような顔にキスをしながら、僕は
「どうしてでしょう?」
とだけ言って誤魔化して、もう1度キスをしてから
「ありがとう」
と凪波にお礼を言った。
凪波は、くすっと可愛い微笑みを浮かべてから
「理解できた?」
とだけ聞いてきた。
僕は頷いてから、凪波の頬に最後もう1度軽くキスをしてから、練習に戻った。
凪波は、いつの間にか僕の腕の中からいなくなっていた。