Side朝陽

「……は?」

俺からの問いかけに対して一路は、何を言っているんだと言いたげな目をした。
気持ちは分かる。
俺が逆の立場だったら、もしかするともっと酷い対応をしたかもしれない。
だけど。

「お前、考えてもみろよ。いきなり知らない男が宮川のりかと話をしたいと言って……取り合ってもらえると思うのか?」

知名度は一路朔夜に比べればずっと劣っているかもしれないが、宮川のりかもwikiに載ってるので、有名人の部類だろう。
そんな人間に、いきなり見知らぬ男がアタックしたところで、ストーカー扱いされて終わりなのが目に見えている。

「少なくとも、お前なら、宮川のりかから話を聞けるんじゃないのか?」
「いや……それは……」

一路が口をつぐんだ。
何か、あるのだろうか?

「……何だ、その態度……」
「宮川は……恐らく僕とはもう、話をしないと思う」
「は?何で……」

その理由を聞いた時、俺は頭が痛くなった。
俺は、モテる男というものになりたいと1度は願った。
だが、一路の話を聞く限り、モテる男というのは、それ相応の苦労が付き纏うように思えたから。


なんと、宮川のりかが一路朔夜に告白して、それを一路が

「君に魅力なんかない」

などと、ばっさり一刀両断していた……らしい。