Side実鳥
「山田さん、どうして……」
私が質問をするより前に、山田さんは葉に飛行機を渡してから、私の腕から手慣れた様子で葉を抱きとった。
葉はきゃっきゃと飛行機を持ってはしゃいでいた。
「良かった。気に入ったみたいですね」
「この飛行機は一体……」
「清様の子供の頃のおもちゃです」
「え!?」
「嘘です」
「……そうですか……」
どうして、そんな嘘をつくのだろう。
そんなことを考えていると
「矢部様」
山田さんは、葉を抱えたまま歩美さんに話しかける。
「山田さん……」
「雪穂様との面会の準備が出来ましたので、お迎えにあがりました」
「あ……あああ……ありがとうございます……」
雪穂。
それが歩美さんの娘さんの名前なのだろう。
涙を流してまで喜んでいる歩美さんを見て、私もしっかりもらい泣きしてしまった。
「歩美さん、良かったですね」
と声をかけながら、私はこの後どうしようか……と考えた。
凪波をどうするか、まだ決まっていない。
こういうのは、私1人で考えても仕方がない。
もちろん……葉が思考の壁打ち相手になるわけはない。
そういえば、海原達はどこに連れていかれたのだろう?
恐らくここに私だけ通されたのも、見たところ葉のためのもてなしが理由だったのかもしれない。
……結果的にクッキーより飛行機の方が優ったわけだが。
であれば、葉を山田さんから飛行機ごと引き取って、早々に海原達と合流した方が良いだろう。
山田さんから葉を受け取ったら、そのまま海原達を探そう。
そう思ったちょうどその時のこと。
「山田さん、どうして……」
私が質問をするより前に、山田さんは葉に飛行機を渡してから、私の腕から手慣れた様子で葉を抱きとった。
葉はきゃっきゃと飛行機を持ってはしゃいでいた。
「良かった。気に入ったみたいですね」
「この飛行機は一体……」
「清様の子供の頃のおもちゃです」
「え!?」
「嘘です」
「……そうですか……」
どうして、そんな嘘をつくのだろう。
そんなことを考えていると
「矢部様」
山田さんは、葉を抱えたまま歩美さんに話しかける。
「山田さん……」
「雪穂様との面会の準備が出来ましたので、お迎えにあがりました」
「あ……あああ……ありがとうございます……」
雪穂。
それが歩美さんの娘さんの名前なのだろう。
涙を流してまで喜んでいる歩美さんを見て、私もしっかりもらい泣きしてしまった。
「歩美さん、良かったですね」
と声をかけながら、私はこの後どうしようか……と考えた。
凪波をどうするか、まだ決まっていない。
こういうのは、私1人で考えても仕方がない。
もちろん……葉が思考の壁打ち相手になるわけはない。
そういえば、海原達はどこに連れていかれたのだろう?
恐らくここに私だけ通されたのも、見たところ葉のためのもてなしが理由だったのかもしれない。
……結果的にクッキーより飛行機の方が優ったわけだが。
であれば、葉を山田さんから飛行機ごと引き取って、早々に海原達と合流した方が良いだろう。
山田さんから葉を受け取ったら、そのまま海原達を探そう。
そう思ったちょうどその時のこと。