Side朝陽
案内されたのは、1階のテラス。
外は真っ暗で、星と月だけが存在している。
波の音が、虚しく空間に響き渡るだけ。
姿形は全く見えない。
ゆらめく、蝋燭の小さな炎だけが灯りとして唯一機能しているそのテラスには、ホテルで出されるアフタヌーンティーセットのような、華やかなケーキスタンドと花が飾られたテーブルと椅子2脚が準備されていた。
「さあ、おかけください」
山田さんは、まず椅子を1脚引いて、その椅子のための客を待つ。
でも、少なくとも俺は今……。
「すみません、俺……今そんなものを食べる気分では……」
「そうですか。では」
山田さんは、視線を俺からずらし
「一路さん。お腹が空いていますよね。どうぞおかけください」
と、俺の真横を歩いてきた一路朔夜に声をかけた。
一路朔夜の手には、手錠のようなものがつけられている。
一路朔夜は、何も答えない。
ただ、その場に立っているだけ。
「時間になりましたら、お迎えにあがります」
山田さんは、椅子を引いたまま、その場から去っていき、俺と一路朔夜は取り残された。
一体、ここでこいつと俺は、どうすればいいんだ……。
案内されたのは、1階のテラス。
外は真っ暗で、星と月だけが存在している。
波の音が、虚しく空間に響き渡るだけ。
姿形は全く見えない。
ゆらめく、蝋燭の小さな炎だけが灯りとして唯一機能しているそのテラスには、ホテルで出されるアフタヌーンティーセットのような、華やかなケーキスタンドと花が飾られたテーブルと椅子2脚が準備されていた。
「さあ、おかけください」
山田さんは、まず椅子を1脚引いて、その椅子のための客を待つ。
でも、少なくとも俺は今……。
「すみません、俺……今そんなものを食べる気分では……」
「そうですか。では」
山田さんは、視線を俺からずらし
「一路さん。お腹が空いていますよね。どうぞおかけください」
と、俺の真横を歩いてきた一路朔夜に声をかけた。
一路朔夜の手には、手錠のようなものがつけられている。
一路朔夜は、何も答えない。
ただ、その場に立っているだけ。
「時間になりましたら、お迎えにあがります」
山田さんは、椅子を引いたまま、その場から去っていき、俺と一路朔夜は取り残された。
一体、ここでこいつと俺は、どうすればいいんだ……。