翌日、僕は瀬戸さんに連絡をとり、菅原さんからの手紙を渡した。
彼女は初め、信じられないというふうに目を瞬かせていたが、やがて手紙を受け取ると、じんわりと彼のことを思い出したのか目尻に涙を浮かべて「ありがとう」と言った。
手紙の中身を、僕は知らない。
けれど、これでいいのだ。
瀬戸さんがちゃんと、菅原さんの想いを受け取ってくれて。
あの名のない手紙が、全く意味のないものではなかったのだと、証明できて。
たぶんお互いの気持ちは、届いている。
瀬戸さんと別れてから、僕はようやく自分の心に決着をつけることができた。
明日はまた、アルバイトの日。
真理亜と同じシフトの時間帯だ。最近は彼女から、いつバイトに入るか僕に聞いてくるようになった。
名前のない気持ちに、ようやく。
僕は名前をつけることができるのだ。
【終わり】
彼女は初め、信じられないというふうに目を瞬かせていたが、やがて手紙を受け取ると、じんわりと彼のことを思い出したのか目尻に涙を浮かべて「ありがとう」と言った。
手紙の中身を、僕は知らない。
けれど、これでいいのだ。
瀬戸さんがちゃんと、菅原さんの想いを受け取ってくれて。
あの名のない手紙が、全く意味のないものではなかったのだと、証明できて。
たぶんお互いの気持ちは、届いている。
瀬戸さんと別れてから、僕はようやく自分の心に決着をつけることができた。
明日はまた、アルバイトの日。
真理亜と同じシフトの時間帯だ。最近は彼女から、いつバイトに入るか僕に聞いてくるようになった。
名前のない気持ちに、ようやく。
僕は名前をつけることができるのだ。
【終わり】