しまった。これではフォローになっていない!

「違った! 響生さんに貰えるものは何だって嬉しいから大丈夫だよっ!」

 慌てふためくさくりに響生は一瞬キョトンとして、それからクスクスと笑い始めた。

「うん。ありがとう」

 優しく穏やかな響生の微笑み。

 さくりはホッとしながら、照れ隠しにコーヒーを飲んだ。

 喉と胃が温まると、胸の奥もあたたかくなる。つられて頬にも熱を感じた――。