運命というものがあるのなら、それは多数の枝を持つ大樹のような姿をしているに違いない。何かの本で、そんなふうに読んだ。
 未来は可能性に満ちているから、わたしより八歳も若いきみには、その年の差のぶんだけ、いろんな出会いの可能性があったはず。それなのに、本当にわたしでよかったの?
 とは言っても、わたしはもう、きみとは離れられない。白状してしまえば、最初からだったの。出会った瞬間から、きみは何だか特別だった。
 わたしの心は、きみがいるだけで満たされる。わがままを言わせて。わたしは、きみをずっと独占していたい。